ポジティブリストって一体なに?私たちの食の安全を守る制度について
私たちの周りには、たくさんの「安全」のための仕組みがあります。例えば、交通ルールや防火対策など、意識していなくても、私たちの安全を守ってくれているものがたくさん。食品にも、同じように安全を守るための仕組みがあるんです。そのひとつが「ポジティブリスト」。
この記事では、そんなポジティブリストについて、一緒にみていきましょう。
ポジティブリストとは
ポジティブリストとは、簡単にいえば「OKなものをリスト化し、それ以外はすべて禁止とする」という概念のことです。NGなもののみをリスト化しているネガティブリストと比べると、許されたものがはっきりとしているため安全性や透明性に優れています。食品衛生法、自衛隊の権限規定、残留農薬関連、輸入自由品目表などにつかわれているようです。
近年、食品用器具・容器包装からの有害物質の移行が懸念されており、消費者の健康を守るための対策が求められていました。そこで、食品衛生法の改正により、2020年6月1日から食品用器具・容器包装に関するポジティブリスト制度が導入されました。
この制度により、安全性が確認された物質のみが使用を許可され、消費者の健康被害を未然に防ぐことが目的とされています。
ポジティブリストの考え方は食品分野以外にも広く採用されています。例えば、自衛隊の権限規定では許可された行動のみを明示し、それ以外の行動を制限することで組織の適正な運用を図っています。また、輸入自由品目表では輸入が許可された品目をリスト化し、それ以外の品目の輸入を制限することで、国内市場の保護や安全性の確保を行っています。
食品衛生法におけるポジティブリスト制度
さて、ここからは私たち調理器具のメーカーに大きく関わってくる部分ですが、食品衛生法の一部が改定されたことによって、ポジティブリスト制度が導入されました(2020年6月に施行、2025年5月31日までが猶予期間で6月から本格施行)。
食品衛生法におけるポジティブリストの対象は、食品用器具・容器包装※でその材質はポジティブリスト上の安全が確かめられている物質でなければいけません。
※食品、添加物の製造、調理、運搬、授受など、食材に直接触れる合成樹脂製のものであり、その他の食材に触れないものやゴム、無機物、天然由来のものには本ポジティブリスト制度は適用されない
弊社製品のポジティブリスト対応状況はこちらから
適合について
ポジティブリスト施行によるメリット
メリットはたくさんありますが、代表的なものとして以下の2つがあります。
- 調理器具や容器包装から有害物質が溶出するリスクを減らし、食中毒などの健康被害を未然に防ぐ
- どのような物質が使用されているかを確認できるため、使用者の製品選択における透明性が向上
適合宣言書
私たち調理器具のメーカーは安全な物質を使用した製品を製造しています、と示す必要があります。「この製品はポジティブリストに適合しています」と提示するものとして適合宣言書をほとんどのメーカーは用意しています。新しく道具類を選ぶ際、今まで私たちの製品をご使用いただいているお客様にとっても安心して製品をご使用いただくために必要なものです。
ポジティブリスト適合宣言書のご請求は下記からお問い合わせください。
さいごに
ポジティブリストは、消費者の食事の安全を確保するために重要な役割を果たしています。事業者にとっても、ポジティブリストは製品開発や品質管理の指針となり、安全な製品を提供するための基盤となります。このようにポジティブリストは、消費者と事業者の双方にとって信頼と安心を生み出すための大切な仕組みになっています。
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