まな板が汚れてしまうのはなぜ?原因と汚れを防ぐお手入れ方法

みなさんは、普段、まな板をどのようにお手入れしていますか?
水でサッと洗い流す、洗剤でゴシゴシ洗う、漂白剤を使用する、など、いろいろなお手入れをされているでしょう。

まな板の汚れは、こまめに落とさないと、黒カビなどの原因になってしまいます。衛生的にもあまり好ましくありません。
今回は、まな板が汚れてしまうメカニズムの解説と、まな板の汚れを軽減するための方法をご紹介します。

まな板が汚れる原因

毎日使用していて、きちんとお手入れをしていても、気がついたらまな板が汚れていた・・・
そのようなことはありませんか?

まな板が汚れてしまう原因には、主に「汚れた状態の放置」「包丁のキズによるもの」の2つがあります。

汚れた状態の放置

主にプラスチック製まな板の材料として使われているのは、ポリエチレンという樹脂です。ポリエチレンは安価で、水や薬品に強く、比較的加工しやすいため、まな板の材料として最も広く使われています

ポリエチレンは密度が低く、プラスチックの中では軽量な部類ですが、それだけ分子と分子の間が広く、そこに汚れとなる成分が侵入します
特に長時間汚れが付着している状態が続くと、その傾向が強くなります

食材から出た、色素を含んだ成分が入り込むことで、表面を洗っても簡単には汚れが取れなくなってしまいます。
また、汚れ成分が侵入した状態を長く放置すると、黒カビなどの原因となります。

包丁キズによるもの

まな板の宿命でもありますが、まな板の表面には包丁のキズがつきます。数多くの包丁キズにより汚れが付着しやすく、また除去しにくくなります。
時間経過によりさらに汚れは取れにくくなるので、使用後には直ちに洗うようにして、できるだけ汚れが残らない状態にすることが望ましいでしょう。

まな板の汚れを軽減するお手入れ方法

汚れた状態を放っておいてしまうこと、包丁キズが入ってしまうこと、この2点が、まな板の汚れを作り出す主な原因でした。
包丁で食材を切る限り、まな板の汚れを完全に防ぐことは難しいです。
だからこそ、普段からきちんとまな板の汚れを防ぐためのお手入れをする必要があります。

ここからは、まな板の汚れを防ぐためのお手入れ方法を紹介してまいります。

できるだけ頻繁に洗う

まずは、まな板を頻繁に洗うことを習慣づけましょう
食材を切る度に洗うことが理想的ですが、現実的ではありません。タイミングをみて頻繁に洗うことを心掛けるだけでも、まな板の汚れの軽減に有効です。

飲食店や給食産業など、長時間まな板を使用する場合、少なくても2時間に1回はまな板を洗うことをお勧めしています。これは一般的に、まな板に付着した雑菌は、2時間を経過する辺りから急激に増殖するといわれているためです。

ご家庭の場合、2時間以上調理し続けることはあまりないと思いますが、使用後は放置せず、すぐに洗うようにしましょう

洗い方は特別な洗い方があるわけではなく、基本的な洗い方で大丈夫です。
中性洗剤を用い、スポンジやブラシなどでしっかり擦って十分な流水(できれば温水)で流して下さい。
最近は除菌タイプの中性洗剤も出ており、除菌効果が高く、有効です。

正しく漂白する

定期的な漂白は効果が大きいです。ただし、正しい方法で漂白しなくては効果が減ってしまうため、今回は正しいまな板の漂白方法を詳しく解説します。

01. 正しく希釈する

漂白は、漂白剤を正しく希釈することが望ましいです。まな板は大きいので全体を浸ける槽がなく、漂白剤の原液をまな板の表面に塗布する方法もありますが、漂白剤を浪費してしまいます

全体を浸けるのが理想ですが、槽が小さければ半分づつひっくり返して浸けても十分効果があるので、正しく希釈して漂白するようにしましょう。

02. 漂白時間や頻度に気をつける

漂白液に浸ける時間は30分~60分で十分です。

しっかり漂白したいからと一晩中浸けっ放しにする方もいますが、漂白成分を洗い流すときに落ちにくくなるのでお勧めできません。
洗い落としても、漂白剤の臭いが消えない原因になります。

03. 漂白前後に中性洗剤で洗う

漂白前と漂白後には、きちんと中性洗剤で洗ってください。
漂白は、洗っても落とせない汚れを落とすためのお手入れ方法なので、前もって落とせる汚れを落としておくことで、効果が上がります。

また漂白後は、流水で流すだけですと漂白剤のにおいが残ることがあるので、しっかりと中性洗剤で洗うことが望ましいです。

落ちない油汚れには

肉や揚げ物など脂っこい食材を切った後は、まな板は油で汚れてしまいますね。中性洗剤で落ちる場合はいいですが、しつこい油汚れとなるとなかなか落とせないときがあります。

そのような時にはアルカリ性(弱アルカリ性)の洗剤が有効です。油成分は酸性ですので、アルカリ性洗剤を使うと油が中和されるので落としやすくなります。
ただし皮膚や目に刺激が強いデメリットがありますので、気になる方は弱アルカリ性の洗剤を選ぶことをお勧めします。また手袋やゴーグル(メガネ)の着用を忘れないようにしてください。

天然素材の洗剤について

環境意識の高まりにより、近年は天然素材で作られた台所用洗剤の人気が高まっています。
天然素材の洗剤は肌に優しいものが多く、人気の理由の一つでもあります。しかし残念ながら汚れを落とす効力という点では、従来の合成洗剤と比べるとかなり劣ります。

環境を大切にする気持ちは本当に大切です。
天然素材の洗剤を否定するものではありませんが、まな板の汚れが落ちにくくなるという認識を持っていただけると幸いです。たまには合成洗剤でも洗うなど、組み合わせて使うと良いかもしれませんね。

メディアなどで良く界面活性剤は生態系に良くないという話を耳にすることもあると思います。
もちろんそのまま海に流れ出れば良くありませんが、日本の都市部ではきちんと下水処理され、取り除かれてから安全な状態で流されています。

熱殺菌の実施

まな板はどうしても表面に多数のキズが入るものなので、表面をいくら洗浄・漂白しても、キズの奥底の雑菌は除去できていない可能性があります。

従って、熱による殺菌(熱殺菌)が非常に有効です。
ほとんどの雑菌は、80℃×10分で死滅するといわれています。レストランなどのプロにとっては、確実な殺菌が死活的に重要なのは言うまでもありません。

熱殺菌の方法としては、以下のものがあります。より衛生に気を遣っている方は、ぜひ熱殺菌も行ってみてください。なお、耐熱性の低いまな板は、反ってしまう場合があるのでご注意ください。

  • 温風(熱風)保管庫
  • 食器洗浄器(Dishwasher)
  • 煮沸消毒
  • 熱湯殺菌

汚れの見えるまな板を使用する

プラスチックのまな板というと、白などの明るい色が基本ですが、これは白い方が汚れが見えやすいという点にあります。「白いから汚れやすい」ではなく、「白いから汚れが良く見える」と捉えるのが正しい理解です。
衛生上の安全を考え、汚れの見えるまな板を使用するようにしましょう。

まとめ

まな板が汚れてしまう原因、そして、汚れを軽減するための方法について、ご紹介しました。

これらはあくまでもまな板としての一般論です。
いろいろなメーカーが、いろいろなまな板を作っており、必ずしも全てに当てはまる訳ではありませんので、ご注意下さい。

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