食中毒を振り返る「第1回 食中毒の原因・種類・発生状況について」

調理をする上で気に掛けるポイントの1つに食中毒があります。
一口に「食中毒」といっても、種類によって特長や発生しやすい時期、原因物質はさまざまです。身近に潜む食中毒の健康被害を避けるために、改めて食中毒について確認していきたいと思います。

第1回 食中毒とは、その原因、発生状況、種類について
第2回 食中毒を引き起こす物質が、どこから検出されたかを過去の事例を紹介
第3回 調理場から見る食中毒予防(食品工場、一般飲食、一般家庭ごとに対策)

これから全3回に分けてご紹介します。

食中毒とは・原因

食中毒とは有害な物質や細菌、ウイルスなどが付着した食べ物を口にすることで発生する腹痛や下痢、嘔吐、発熱などの健康被害のことをいいます。
原因となる物質は主に、「細菌・ウイルス・自然毒・化学物質・寄生虫」と分類されています。種類によって引き起こす症状も異なり、時には命に係わるようなケースになる場合もあります。

発生状況・どんな食中毒が発生している?

代表的なものとして、11月~3月に多く発生するノロウイルス、加熱が不十分な鶏肉から発生するカンピロバクター、卵や牛・豚の腸管内に生息するサルモネラなどが有名です。
細菌に分類されるもの(カンピロバクター、サルモネラ等)が原因となるのは、気温や湿度が高くなる時期に発生するケースが多いですが、ウイルスの分類に当たるもの(ノロウイルス)は寒くなる時期に発生件数が増える傾向にあります。
また魚介類に寄生するアニサキス、フグやキノコが持つ自然毒などが原因とされる事例も多々あります。

2020年(令和3年) 原因物質ごとの発生件数及び患者数

※厚生労働省データ抜粋

種類

上記グラフの発生件数を見た場合、寄生虫が原因となる食中毒が目立ちますが、患者数では細菌、ウイルス性が飛びぬけて多いことがわかります。
一度に感染する人数が多いことから、こちらにも注意が必要です。

「細菌・ウイルス・自然毒・化学物質・寄生虫」と原因となる物質は複数ありますが、「細菌」、「ウイルス」、「寄生虫」から代表的なものの症状、特徴をご紹介していきます。

細菌「腸管出血性大腸炎」

  • 原因食品:牛レバー、生肉(ユッケ等)、井戸水
  • 特徴:動物の腸管内にも分布。少量の菌で発症。水の中でも生存
  • 症状:下痢、腹痛、発熱、HUS(溶血性尿毒症症候群)

細菌「サルモネラ」

  • 原因食品:卵、食肉、調理器具等を介して感染
  • 特徴:動物の腸管内に分布。少量の菌で発症
  • 症状:下痢、腹痛、発熱

細菌「腸炎ビブリオ」

  • 原因食品:生鮮魚介類、加工品、調理器具を通して感染
  • 特徴:塩分2~5%で発育。増殖が早い
  • 症状:下痢、腹痛、嘔吐

細菌「黄色ブドウ球菌」

  • 原因食品:弁当、おにぎり、生菓子等
  • 特徴:人や動物の傷口などに分布
  • 症状:下痢、腹痛、嘔吐

ウイルス「ノロウイルス」

  • 原因食品:水やノロウイルスに汚染された食品、牡蠣を含む二枚貝
  • 特徴:人の腸管のみで増殖。吐瀉物や便から感染。少量の菌でも発症
  • 症状:下痢、腹痛、嘔吐

寄生虫「アニサキス」

  • 原因食品:サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなど
  • 特徴:上記魚介類に寄生。喫食することで発症
  • 症状:腹痛、嘔吐、発熱

まとめ

原因になるものは多岐に渡ることから、食中毒は外食店さんや食品工場さんだけでの問題ではなく、加熱処理や冷凍を怠ると一般家庭でも発生する可能性は十分にあります。
また、上記グラフの数値もあくまで把握されている数であり、実数で考えると上記のグラフやデータよりも上回っていることが予想されます。食中毒は想像以上に身近なものであるといえるでしょう。
次回(第2回)は食中毒を引き起こす物質が、どこから検出されたかを過去の事例で紹介していきます。

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