食中毒を振り返る 第2回「食中毒を引き起こす物質はどこから検出されたか」

調理をする上で気にしなくてはならないポイントの1つに食中毒があります。
一口に「食中毒」といっても、種類によって特徴や発生しやすい時期、原因物質はさまざまです。

近に潜む食中毒の健康被害を避けるために、改めて食中毒について確認していきたいと思います。
今回は全3回のうちの、第2回「食中毒を引き起こす物質が、どこから検出されたか、過去の事例を紹介」です。

第1回 食中毒とは、その原因、発生状況、種類について
第2回 食中毒を引き起こす物質が、どこから検出されたか、過去の事例を紹介
第3回 調理場から見る食中毒予防(大量調理施設、飲食店、家庭ごとに対策)

食中毒を引き起こす物質がどこから、何から検出されたのか、どうして発生したのかを過去の事例から紹介していこうと思います。

食中毒を引き起こす物質はどこから・なにから検出される?

食中毒を引き起こす物質はさまざまな種類があり、それらが感染する経緯も多岐に渡ります。菌が検出、媒介されるものとしては各種食品、人、調理器具、キッチン内設備等が過去事例として挙がります。

各種食材

菌は元々食材に付着しているため、加熱が不十分だと殺菌されず菌が残ったままになります。また加熱しない食材を常温で放置していたりすることで、菌が増殖します。その状態の食材が原因となり食中毒が発生することが考えられます。

人の手

人の手を介して食中毒が発生するケースが多く見られます。
食材に触れることで汚染され、手指に付着した菌がキッチン内設備、調理器具に移って二次汚染を引き起こす可能性があります。またノロウイルスを媒介する恐れもあるため、
こまめな手洗いは非常に大切です。

調理器具

調理器具は直接食材に触れるため、洗浄不足から食中毒が発生する可能性が考えられます。すき間、段差があったりと汚れの溜まりやすい構造のものは注意が必要です。
また、1つの調理道具を他の調理に使いまわすことも食中毒の原因となります。

キッチン内設備

調理器具を含めて、「人の手が触れる機会が多い場所は汚れやすい箇所」という認識で注意する必要があります。冷蔵庫や食洗機の取っ手、タオルなどは多数の人が触れる場所です。キッチンでATP検査(付着している有機物数を数値化する検査)を行ってみると、上記の箇所では高い数値が検出されています。

過去の事例から見る発生原因・検出事例

過去事例(食品) 加熱不十分の牡蠣フライ

宿泊施設で提供された牡蠣フライを食べた21名の内6名が発症(ノロウイルス)。
十分な油量が無いフライパンで調理した結果、油の温度が低下し中心部が半生状態で提供されたことが原因とされる。
(参照:ノロウイルス食中毒の事例紹介|厚生労働省医薬・生活衛生局 生活衛生・食品安全部監視安全課

過去事例(調理器具) ボウルの使いまわし

学校給食の調理場で発生。
提供した翌日に約50名にわたり発症。原因とされる点が複数挙がったが、最も可能性が大きい原因として鶏肉を入れたボウルを、他食材を和える際に使いまわしたことが考えられている。
(参照:調理場における洗浄・消毒マニュアルPart2

過去事例 (手指)(キッチン設備)手洗い設備の不足

学校給食の調理場にて発生。
有症者、二次感染者含めて1000名近くに及ぶ大規模な事件となった。
調査が行われ、撹拌器具、食材からノロウイルスが検出。調理従事者複数名がノロウイルスに感染しており、調理員の手指を介した感染と発表された。
また、当該調理場では手洗い設備が不足していた点も原因の1つとして考えられる。

(参照:学校安全Web

まとめ

このように食中毒の原因となる要素はさまざま。上記の媒介が予想できるポイントを注視することが大切です。

対策として、

  • 食材毎の適切な温度管理
  • 手洗いは入念、こまめに
  • 調理器具は洗浄性の優れたものを選び、使い分け管理ができるように
  • キッチン内で人の手が多く触れる場所(ドアノブ、冷蔵庫取っ手、蛇口等)はしっかりと洗浄する

などを心掛け、食中毒の発生を防ぎましょう。
次回は調理場からみる食中毒の予防方法についてご紹介します。

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